ブラック会計事務所の話

 

 

 

 

 

 

 

 

最近、現役の会計事務所職員から興味深い話を聞いた。

ブラック会計事務所と逆ブラック会計事務所の話である。

 

税理士業界はブラックが多いというのは有名な話。

一般的に言われているのは

・長時間労働

・膨大な仕事量

・低賃金

・上司の命令は絶対

・愚痴ばかりの従業員

みたいな内容。

今回、聞かせてもらった話も、同じような内容だった。

 

私の結論としては、

ブラックが嫌ならば、環境を変えるのがいい。

転職、独立、完全なジョブチェンジなど、選択肢は現状の事務所だけではない。

他人を変えようとするよりも、自分を変えるほうが確実にいい結果になる。

何年も足踏みしてきた私から言えることは、自分を変えるときに、「新たに決意する」だけでは絶対に自分は変わらない。

固定観念や過去の経験というのは、そう簡単には変わらない。

今の自分や状況を変えたいなら、環境を変えるのが最も効果がある。

 

私の場合だと、

・住む場所を変えた

・交流関係を変えた(止めた)

・会社をつくった

・税理士法人を辞めた

・税理士として独立した

・交流関係を変えた(広げた)

など、定期的に環境を変えている。

 

ブラック事務所で、他人を変えようとするのが難しい理由は、従業員がどれだけブラックだと言っても、所長や幹部はブラックだと思っていないからである。

まわりの会計事務所と比べたら、こんなに従業員のことを考えている事務所はないと本気で思っている。

ここがミソである。

確かに、自分の事務所をブラックだと認識している所長はいないだろう。

 

人件費や家賃を稼ぐためには、相当なお金が必要だ。

相当なお金を稼ぐには、相当な仕事をしなければならない。

これは、よく分かる。

そのような状況でも、従業員のことを考え、いろいろと福利厚生を考えてくれているのも、よく分かる。

 

しかし、そのお金は、

・長時間労働

・膨大な仕事量

・低賃金

という従業員の労働によって賄われる。

 

所長の想いは、悲しいことに従業員には伝わらない。

 

しかしこれは、どの業界でもどの会社でも同じような環境だと思う。

そしてブラックだと感じる人もいれば感じない人もいる。

何がブラックなのかは人それぞれだが、心や身体を壊してしまうようなら、その人にとってはブラックなのだろう。

逆ブラック会計事務所の話

 

 

 

 

 

 

 

 

私が衝撃を受けたのは、逆ブラック会計事務所の話である。

・18時で全員退社

・仕事量も多くない

・給料は高水準(かなり高い)

・所長と従業員の仲がいい

ほんとに、そんな事務所あるのかと思ってしまう内容である。

 

なぜ、このスタイルの経営ができるのかというと、所長が、ひとりで残業をして、土日も休まずに高単価の仕事をしているからである。

本気で従業員の将来のことを考え、税理士試験に合格して独立してほしいと願っているらしい。

だから、辞める従業員がいないので、欠員がでたときのみ募集する。

こういう話を聞くと、すごい所長もいるものだと感服する。

 

だが、その一方で従業員は、定時に会社を出て、勉強もせずに毎日遊びに行っている。

だから、毎年誰も税理士試験に受からない。

それどころか、今の状況で居座り続けようとしている幹部(受験生)が増えているらしい。

 

この従業員の方々が悪いのかと言えば、そうでもないのかもしれないが、この実態を所長が知ってしまったらどうなるだろう。

もし私がこの所長だったら確実にダークサイドに堕ちる。

 

従業員ことを本気で真剣に考えている所長の心が闇に堕ちてしまったら、ブラック会計事務所に変貌するのかもしれない。

そもそも、最初からブラックな事務所はないと思う。

事務所を運営していくうちに、いつしか闇に足を突っ込んでいくのかもしれない。

組織の経営をするというのは、つくづく難しいと実感させられる話だった。

ひとりブラック会計事務所の話

 

 

 

 

 

 

 

 

ひとりでやっている限り、逆ブラック会計事務所になることはない。

しかし、ブラック会計事務所には、あっという間になる可能性がある。

もしかしたら、最もダークサイドに堕ちやすいのは、ひとり会計事務所なのかもしれない。

 

大きな理由はお金。

独立した人、特に完全ゼロスタートで独立した人はよく分かると思う。

お金がなくなる恐怖。

お金を稼がなくてはというプレッシャー。

資金繰り表とにらめっこをして、まだ大丈夫と自分に言い聞かせる毎日。

ある程度お金を稼げるようになっても、この気持ちはなくなっていない。

 

お金の不安を払拭するために、とにかく働きまくるというのもひとつの手段だが、代償は時間と健康かもしれない。

うまく稼げればまだいいかもしれないが、とにかく働きまくったのに、お金もない、時間もない、身体も心も壊すという悲劇になってしまう可能性もある。

そして、いつしかひとりブラック会計事務所が誕生する。

 

お金と、お金以外のこと、このバランスは意識していないとすぐに崩れる。

ひとりで仕事をするというのは、簡単そうに見えて簡単ではない。

 

1年間ひとりで仕事をしてきて、バランスをとるために効果的だった方法は、毎日スケジュールどおりに行動するということ。

スケジュールどおりに行動するためには、強制的に時間を区切ることになる。

仕事の時間配分は日々調整しているが、最近は1日の税理士業を15時までに完了させている。

私の場合、これくらい強気に、かつ強制的に環境を変えていかないと、自分の望むバランスにはならない。

文字にすると味気ないが、これが実に難しい。

難しいが、うまくいくと毎日成功体験を積めるというおまけまでついてくるのでお勧めである。

 

それともうひとつ。

朝だけでなく、一日何回か自分の顔を真剣にチェックするようにしている。

顔色、目、肌、表情などを、しっかり確認する。

独立してから初めて取り入れたことだが、この方法は気に入っている。

バランスが取れているときは、いい表情をしているし、バランスが崩れているときは、しんどい表情をしている。

今の自分の状況を一番客観的に映し出しているのは、鏡に映った自分の顔である。

 

ひとり会計事務所を運営して、もうすぐ1年。

決して楽ではないが、今のところ楽しく生きている。