先日の打ち合わせ。

「これから顧問先も増えて、事務所も借りて、人を雇ってと楽しみですね」

「いえ、今もこれからも、ひとりでやっていきます」

「え……そ、そうなんですか…珍しいですね。」

珍しいか…

やはり、規模を拡大するのが、この業界の主流として認識されているんだなと感じました。

ひとり税理士は圧倒的少数派

私は、今もこれからも「ひとり」で税理士業を行います。

必然的に、ひとり税理士の方々とお会いするケースが多いですし、そういった方々のブログやHPも毎日研究しています。

毎日数十人の情報をキャッチしていると、ひとり税理士って意外と多いなと思うこともあるのですが、世の中全体から見ると、圧倒的に少数派です。

やはり、規模を拡大していくのが成功とされる風潮は根強く残っています。

士業をターゲットにしている会社の営業も「規模の拡大のために~」です。

規模拡大の先に何がある

税理士紹介会社、士業向けコンサル会社、営業代行会社からの営業が多いのですが、その類いの電話には一切でません。

DMは捨てる前にチラッと見ます。

ほぼ数秒でごみ処理ボックス行きなのですが、最近見たDMで衝撃的なものがありました。

「あなたの事務所の顧問料はこの金額にしてください。そうすれば良質な顧客を紹介します。そして顧問先を100件にしましょう。」

という内容。

その下に、その会社が提案する顧問料が表になっていました。

売上1,000万円未満

月額10,000円の顧問料で決算料なし…記帳代行は含む…

年間120,000円……

売上3,000万円未満

月額15,000円の顧問料で決算料なし…記帳代行は含む…

年間180,000円……

以下、売上5億円超まで続く。

これで、この会社に手数料を払ったら、手元にいくら残るのだろう…

こんなあり得ない提案が、まかり通ってしまうのか…

しかし、家賃や給料の支払いのために、薄利でも受け続けて、とにかく顧問件数を増やさなくては回らないという事務所は、エンドレスの自転車操業と分かっていても手を出すのかもしれません。

その先に目指すものはあるのだろうか…

「あえて」ひとり税理士を選ぶ

昨年、とあるパーティーに誘っていただき参加したことを思い出しました。

異業種交流会をもう少しソフトにしたイメージです。

そのパーティーでの、会計士と税理士と社労士の話。

「得意先は何件ですか?」

「従業員は何名ですか?」

「売上はどのくらいですか」

規模の話ばかりで、どんなことをやっているかなどの内容については話さない。

プラス、大人の壮絶なマウンティング合戦が繰り広げられていた記憶があります。

私は、31歳で食品メーカーを辞める時点で、「ひとりでやる」と決めていたので、最初から規模の拡大には興味がありませんでした。

修行していた税理士法人は、入社したときは10人ほどでしたが、退職する際は100名を超えていました。

事務所面積・家賃、従業員数・給料、顧問先数・売上など、どんどん増加していきました。

それを目の当たりにして、やはり方向性が違うなと実感しました。

何を目指していて、どうなりたいのかは人それぞれなので、組織がいいのか個人がいいのかも人それぞれです。

世の中で言われている成功を目指す必要があるのでしょうか。

私は必要ないと思います。

自分の中で、「こうやって生きていきたい」という想いがあって、それに向かって進むのであれば、それが間違いなく成功への道です。

規模の拡大ではなく、個の影響力の拡大を望むのであれば、「あえて」ひとり税理士を目指すのもいいものですよ。