「畠山さん。申告完了しました。期限ギリギリでしたね。」

「ありがとう。納税は間に合った?」

「えっ」

「納付書渡しに行ったんでしょ」

「いや、渡してないっす」

「納付書は?」

「忘れてました」

「……」

数年前に起きた、申告書を提出して納付書を渡し忘れる事件です。

この後、猛ダッシュで渡しに行き、なんとか事なきを得ました。

申告期限と納税期限ギリギリの提出は危険

申告と納税はセットです。

でも、経営者は納税すること、税理士は申告することに一生懸命になります。

当たり前のことなのですが、双方が協力し合わないと、事故が起きる可能性が上がります。

 

というのも、

忙しい税理士(事務所)だと、申告期限ギリギリで申告書ができあがって、納付書を納期限の日の朝に持参して届けるということもあります。

月末の銀行窓口は激混みなので、クライアントにも相当な迷惑をかけます。

忙しい事務所ほどダイレクト納付やネットバンクなどの電子処理を積極的に採用しないように思えます。

従業員側の工数が増えるからかな……謎です。

 

仮に何か突発的な事故があって、申告や納税が1日遅れたとします。

たった1日ですが、融資やビザの申請の際に圧倒的に不利になります。

ギリギリというのはリスクが高すぎるのです。

 

経営者は、申告と納税のタイミングを知っておいて損はありません。

税理士まかせではなくて、自らスケジューリングをして申告と納税の予定日を税理士とすり合わせるのもいいかと思います。

スケジュール通りの申告と納税が可能か、税理士と一緒に業務フローを見直しましょう。

法人の申告期限と納税期限

確定申告

通常の申告です。

3月決算の会社は、4月~3月までの1年間の数字を計算して、決算日から2ヶ月後の5月31日までに申告と納税をします。

修正申告

申告期限までに確定申告をしたけど、金額を間違えていたケースです。

正しい金額よりも少なく税金を払っていた場合に修正申告をします。

税務調査で指摘されて申告するケースと、自分で気づいて申告するケースがあります。

修正申告には申告期限はありません。

図の9月20日というのは、申告した日であって、申告期限ではありません。

申告期限がないからといって、ほったらかしていると、そのぶん延滞税が増えます。

納税期限は、修正申告をした日です。

つまり申告と納税を同時に行うのですが、数日ズレる程度であれば問題ありません。

還付申告(かんぷしんこく)

法人の還付申告の場合、パターンがいくつかあるのですが、ほとんどが中間還付です。

事前に中間納税をした金額が、その後に確定した税金よりも多かったのでお金が戻ってくるケースです。

申告期限は通常の確定申告と同じで、決算日から2ヶ月以内です。

還付なので納税期限はありません。

申告書を提出してから1ヶ月ほどでお金が戻ってきます。

更正の請求(こうせいのせいきゅう)

修正申告の逆パターンです。

正しい金額よりも多く税金を払っていた場合に更正の請求をします。

更正の請求には申告期限はありません。

図の9月20日というのは、更生の請求をした日であって、申告期限ではありません。

更正の請求は、お金が戻ってくるので納税期限はありません。

更正の請求の審査が通って、確定してから1ヶ月ほどでお金が戻ってきます。

申告と納税のスケジュールを経営者と税理士で共有する

経営者は、税理士がいつ申告書を提出するのかを確認してみるといいと思います。

申告するのが申告期限ギリギリって危険なのです。

良いことは何もありません。

 

税理士の都合で、ギリギリにならざるを得ない状況なら、ミスが発生する前兆といえます。

一方で、資料の提出が遅れるなど会社の都合で、ギリギリになるのであれば、業務フローを見直す必要がある状況です。

税理士の言い分で、「資料がでてこないから」で済ませているのも危険です。

資料をすぐに預かれるように、業務フローを一緒に構築していないのを放置しているだけでしょう。

 

申告することに一生懸命になるのはいいのですが、忙しすぎると、もっと大事な他の部分に目が届かなくなります。

というか見えなくなります。

経験済です。

 

独立した今は、申告期限の20日くらい前には申告書は完成するようにしています。

1日か2日置いて、頭をリセットさせたうえで、もう一度最終チェックをしています。

申告するのは、期限の1~2週間ほど前です。

もちろん納税も同じです。

ダイレクト納付かネットバンクでの納税をお勧めしています。

納付書を提出するクライアントの場合は、申告と同じように期限の1~2週間ほど前には納税していただいています。