税理士試験に合格するということのみを目的とした場合、私が考える合格スピードの順番はこのようになります。
受験専念期間がターニングポイント
1 1年目で3科目、2年目で2科目合格して2年で官報合格
2 1年目で2科目、2年目で2科目、3年目で1科目合格して3年で官報合格
3 1年目で3科目、2年目3年目は大学院に通い3年で免除合格
1回の受験で複数科目を受験することになります。
そして1回も受験に失敗しないことが前提です。(失敗してもその後リカバリーできれば問題ありません)
いずれにしてもタフな内容です。
私の戦歴は、
1年目で3科目受験をして、1科目合格 受験専念
2年目で3科目受験をして、2科目合格 受験専念
3年目で2科目受験をして、1科目合格 税理士法人のバイトを5月末で退職し、2ヵ月間専念
4年目で1科目受験をして、不合格 税理法人で職員
5年目で1科目受験をして、不合格 税理法人で職員
6年目で1科目受験をして、不合格 税理法人で職員
7年目で1科目受験をして、1科目合格 5月末で退職し、2ヵ月間専念
こう見ると、「専念」していた期間は合格しています。
とくにバイトを辞めたときと、職員を辞めたときの2ヵ月間の専念がターニングポイントでした。
働きながら合格できれば最高なのですが、私にはできませんでした。
働きながら合格するのが、どれくらい難しいことかを身をもって経験しました。
働きながら合格するのが難しい理由
まず圧倒的に学習時間が足りません。
受験に専念していれば、365日×12時間勉強したとして、
1科目受験ならば、1科目あたり4,380時間
2科目受験ならば、1科目あたり2,190時間
3科目受験ならば、1科目あたり1,460時間
働いていると、どんなに頑張っても捻出できる時間は1日3時間です。
会社が休みの日に12時間以上勉強しても、リカバリーできる時間ではありません
この時点で圧倒的に不利です。
そして正社員として働き、365日勉強できる人はどれくらいいるでしょうか。
組織に属していると繁忙期が必ずといっていいほどあります。
その期間はまず1日3時間も勉強をできないでしょう。
そうなると勉強時間の差はさらに開きます。
私は3年間合格できずに受験をしていましたが、受験経験者というだけで有利だという錯覚に陥りました。
大いなる勘違いです。
勉強時間は受験に専念している場合よりも圧倒的に少ないのです。
受験している期間は長くても、勉強時間は短い。
これでは受かりません。
勉強時間以外にも圧倒的に不利なことがあります。
意識を勉強だけに向けられないことです。
仕事をしていると、どうしても意識が仕事に向きます。
勉強をしたくても、仕事をしなければならない。
仕事に集中したくても、勉強をしなければならない。
こういう状態が続くとストレスが溜まります。
意識が散漫になり心が乱れている状態と、勉強だけに意識を向けている状態、どちらが集中できるか結果は明らかです。
そして、脳も体も疲れている状態で勉強をしても効果は得られません。
朝早くから終電まで働いていたら、いざ勉強しようとしても頭に入ってきません。
私は、帰りの通勤電車の中で30分間かけて、条文を1行も覚えられませんでした。
疲れ切っている状態で勉強をしても、やっている感がするだけで、身についていませんでした。
勉強時間を確保できなければ受かるはずがない
税理士試験は続ければいつかは受かると言われています。
合格した科目は一生有効だからです。
これは税理士試験がいつまでも終わらない理由でもあります。
受験経験者が有利のように見えますが、勉強時間を確保できなければ、圧倒的に不利です。
「合格することを目的にする」のであれば、この圧倒的に不利という事実と、きちんと向かい合いましょう。
そのうえで、
・今の事務所で働きつつ勉強時間を確保する
・勉強時間の確保できる別の事務所で働く
・数ヶ月でも受験に専念する
・勉強時間だけでなく、勉強に充てる体力、精神力を残しておく
などの対策を真剣に考えましょう。
どうするかは人それぞれですが、従来と同じようにやっていていつかは受かるという考えは捨てたほうがいいでしょう。
私は連続不合格期間が3年でしたが、この考えを捨てなければ、もっと長引いたはずです。
勉強に集中する環境をつくれるかどうかがターニングポイントになるでしょう。