法人をつくったら、目標まで一直線!
の前に、やることがあります。
会社設立の一環と考えて、すぐにやりましょう。
会社の通帳口座をつくる
会社をつくるときの資本金は、個人の通帳口座に振り込みます。
会社をつくった後は、会社の通帳口座をつくり、個人の通帳口座から、会社の通帳口座に資本金を移します。
会社設立後は、会社と個人の通帳口座は、明確に分けて管理します。
金融機関は、ネットバンクのサービス内容で決めるのも、ひとつの手です。
ビジネスをするにあたり、ネットバンクはとても便利です。
これを有効に使わない手はありません。
ゆうちょ銀行かネット銀行がお勧めです。
両方使うのもアリです。
ネット銀行は、手数料も安くて便利なのですが、公共料金や税金の口座引き落としに対応していないものがあります。
これを補うために、ゆうちょ銀行を引き落とし用の通帳口座として使うのもいいです。
通帳をひとつにしたいのであれば、ゆうちょ銀行です。
それと、できればカードを個人と法人で分けましょう
事業とプライベートの区別が明確になりますし、経費精算が楽になります。
法人カードがつくれない場合は、個人名義で事業用として1枚増やしましょう。
役員報酬を決める
次に役員報酬を決めます。
役員報酬を決めるときは、個人にお金を残すのか、法人にお金を残すのか考えます。
役員報酬を多くすれば個人にお金が残ります。
役員報酬を少なくすれば法人にお金が残ります。
これは、個人に残したほうがいいです。
自由に使えるからです。
プライベートでも自由に使うことができ、会社にお金を入れるのも自由です。
一方で、会社のお金は自由に使えません。
プライベートのお金が足りないからといって、会社からお金を引き出すことはできません。
役員報酬が上がると、必然的に、所得税、住民税、社会保険料が高くなります。
税金だけにフォーカスすると、なんだか損をしているように感じますが、税金だけを優先的に考えると、個人にお金は残りません。
とはいえ、最初から役員報酬を多額にするのはお勧めできません。
売上の目途が立たないうちは、生活に最低限必要な金額にしておきましょう。
2期目以降で予算が組めるようになってきたら、役員報酬のシュミレーションをしましょう。
単発相談で、最適な役員報酬のシュミレーションを税理士に依頼するのもひとつの手です。
届出書を提出
会社をつくるまでに、たくさん提出書類がありましたが、会社をつくった後も、たくさん提出書類があります。
大きく分けて、
・税金関係
・労働保険関係
・社会保険関係
の3つがあります。
これらの届出は提出期限が決まっているものが多いのですが、各役所から案内などはないので、注意が必要です。
特に税金関係は、提出期限までに提出しなければ、有利な規定が受けられなくなります。
税金関係(税務署、都道府県税事務所、市区町村役場)
法人設立届出書(必須。会社設立後2月以内)
会社を設立したことを都道府県や市区町村に知らせるために、「法人設立届出書」を提出します。
最近は法人口座開設のために、届出済(電子申告済もしくは税務署押印済)の法人設立届出書が必要な銀行が多いようです。
青色申告の承認申請書(必須。会社設立から3月以内)
会社設立をしたら法人税を納めることになります。
法人税の確定申告の方法には、青色申告と白色申告があります。
青色申告は、白色申告に比べて大きなメリットがあります。
例えば、赤字の場合、欠損(赤字金額)を9年間繰越すことができます。(翌期以後黒字になった場合、黒字と前期以前の赤字を相殺できます。つまり所得が減るので納税額も減ります)
他にも要件を満たせば、法人税額の特別控除を受けられます。
給与支払事務所等の開設届出書(必須。設立から1月以内)
給与を支払う場合に、提出する届出書です。
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書(任意 最初に源泉が発生する月の前月末日まで)
源泉所得税は、徴収した日(給与などを支払った日)の翌月10日が納期限になっています。
しかし、給与を支払う人員が常時9人以下の場合で、この申請書を税務署に提出すれば、源泉所得税を年2回(7月と1月)にまとめて納付できるようになります。
代表取締役を含めて、会社役員や従業員、パート、アルバイトなど常時10人以上に給料を支払っている法人は納期の特例を受けることができません。
申告期限の延長の特例の申請書(任意 適用を受けたい事業年度終了の日まで)
法人税の確定申告書(地方税も含む)の申告期限は、原則として決算日の翌日から2ヶ月以内となっています。
3月決算法人であれば、5月31日ということになりますが、この申請書の承認を受けると、提出期限を1ヶ月延長することが可能となります。(納税は原則通り2ヶ月月以内。申告のみ3ヶ月以内になります)
労働保険関係(労働基準監督署、ハローワーク)
「従業員」を一人でも雇用した場合、①と②を労働基準監督署、③をハローワークへ届け出なければなりません。
社会保険と違い、労働保険は会社で働く「労働者のための保険」ですので、すべての会社が対象となるわけではありません。
「従業員」を雇ったときに必要となる手続きです。
たとえば一人で会社を立ち上げ、代表取締役一人の場合は、手続きは不要です。
・労働保険関係成立届(従業員を雇用した日の翌日から10日以内)
・労働保険概算保険料申告書(従業員を雇用した日から50日以内)
・雇用保険被保険者資格取得届(従業員を雇用した月の翌月10日まで)
社会保険関係(年金事務所)
会社の場合、規模にかかわらず、会社設立と同時にすべての会社が社会保険の加入が義務づけられており、年金事務所へ下記書類を提出しなければなりません。
・健康保険・厚生年金 新規適用届出(会社設立後5日以内)
初めて社会保険へ加入する場合に提出が必要になります。
・健康保険・厚生年金 被保険者資格取得届(従業員を雇用した日から5日以内)
被保険者になる方(社会保険に加入する方)全員分の提出をします。
・健康保険被扶養者(異動)届(従業員を雇用した日から5日以内)
被保険者に扶養者がいる場合、扶養者に異動があった場合に提出します。
忘れやすいポイントとして、上記の手続きが完了した後、給料支払い時に源泉所得税、住民税、社会保険等の天引きするのを忘れないようにしましょう。
それと、源泉所得税の納期の特例を適用している場合、半年分まとめて納税になるので、こちらも忘れずに行いましょう。