クラウドソーシングで、税理士ではない人が、税理士の仕事を当たり前のように提案をしているのを目にします。

逮捕されることを知っているのだろうか

無資格者が税理士行為を行った場合、たとえ無償であっても、税理士法違反となり罰則が適用されます。

・税理士法違反で逮捕

・2年以下の懲役または100万円以下の罰金という刑事罰

税務相談などもアウトなのですが、申告書のような成果物がないので非常にグレーゾーンです。

クラウドソーシングを見ていて、これはないなと思うのが、「申告までやります」と自己紹介している人。

自ら違法行為をしますと、ネットを通じて公開してしまっている…

事業会社で経理をしていた人、会計事務所で働いた経験のある人が多いようです。

税理士を探している案件に、税理士のライセンスを持っていない人が提案しているのも、あれれという感じです。

需要と供給が一致していて商売が成立すると言ってしまえばそれまでですが、にせ税理士は逮捕されるんですよね。

それでも供給を続けるのは、バレないから平気という人が多いように思えます。

そして、罰則を軽く考えているのでしょう。

懲役はつかず執行猶予で済む。

100万円以下の罰金で済むなら払う。

といったところでしょうか。

依頼する側のリスク

依頼する側からすると、料金を比較的抑えられることもありますが、リスクもあります。

・誤った処理をする(税法はほぼ毎年変わります)

・逃げる(責任はないと主張する)

・税務調査が入ったときに対応できない(会社もしくは個人が自分で申告したことになるので自分で対応することになる)

・税理士印は押せない(提携している税理士に押してもらうパターンあり。これは税理士側が名義貸しでライセンス剥奪となります。)

結局、困ったときに助けてはくれないでしょう。

似て非なるものとして、会計事務所に頼んでも無資格者が担当ということがあります。

会計事務所への不満としてよく挙げられることです。

これは税理士法違反として「取り扱われない」のが現状です。

税理士のライセンスを持っておらず、税理士行為をするという点は同じなのに、税理士法違反ではない。

一見不思議です。

理由は、税理士の監督下で業務を行い、代表税理士が全責任を負うので、会計事務所の職員の行為は税理士自身の行為として捉えるというのが通説です。

でも、税理法には税理士の監督下ならばOKのような条文はないのです。

法律論だけを追求すると違法ですが、実体を鑑みると違法ではないというのが現実でしょうか。

確かに、代表税理士は職員がやらかしたら無限責任を負うので職員と税理士は一体と考えてもおかしくないようにも思えます。

そもそも税理士になるには実務経験が2年以上必要です。

そう考えると、会計事務所の職員がライセンスを持っていないから、にせ税理士行為だと言うのは現実的ではありません。

修行期間がないと税理士にはなれないのですから。

ライセンスを持っていない職員のサービス内容がどうかというのはまた別の話ですが、会計事務所のボスと職員は一体として考えるというのが結論です。

税理士が支持されるように努力する必要がある

主観としては、にせ税理士行為の取締まりは、税理士のライセンスを持っている者に対してのほうが厳しいように思います。

主に名義貸しです。

意図的にやっているのであれば自己責任ですが、一見名義貸しではないのに税理士法に抵触してしまうケースもあります。

税理士本人は真っ当な取引として認識していてもライセンスを剥奪される場合があります。

微妙な内容で、税理士を取締まるよりも、あきらかににせ税理士行為をしている無資格者や自称税理士をもっと取り締まればいいのに。

もちろんにせ税理士と意図的に結託している税理士はアウトです。

一方で、にせ税理士の需要があるということは、税理士のサービスに対する不満の表れでもあります。

にせ税理士は営業力が高いと聞きます。

ガツガツ提案して、自分を売り込んでいるようです。

依頼者からすると、税理士でもにせ税理士でも、自分のために一生懸命やってくれるならどっちでもいいというのが本音のように思えます。

しかも税理士よりも報酬が安ければ、そっちを選ぶ人がいても不思議ではありません。

法律の観点からは完全にアウトですが、ビジネスの観点から見ると、何も間違っていないのですよね。

・依頼者は、にせ税理士の営業・サービス内容・料金に納得して、サービスを受ける。

・にせ税理士は保証のために、税理士に押印を依頼する。

・税理士は押印すれば報酬がもらえるのだから名義を貸す。

これでサービス内容に不満がないようなら、3者ともwin-win-winです。

重複しますが、法律的にはアウトです。

税理士自身が、自分のサービスを日々磨いて、自ら提案し、クライアントに支持してもらえるようにならないと、いつまでたってもこの状況は変わらないでしょう。

以前、「税理士は究極のサービス業だ」と言っていた人がいましたが、今ならその意味が分かるような気がします。

・税理士自身がサービスを磨き、メニューをはっきり提示する(営業する)

・罰則を厳しくして、取り締まりを強化する

・何がにせ税理士行為なのかを依頼者が分かるように周知する

これらが徹底されるようになると、少しは変わるのかもしれませんね。