先日、他士業の会報を拝見する機会がありました。
士業内ゼロサム
記事自体はよく見るタイプで、野村総研とオックスフォード大学の研究の結果が掲載されていて、士業の中で比較的代替可能性が低いのは弁護士と中小企業診断士で、あとの士業は軒並み仕事を奪われるといったような内容でした。
興味深かったのは、そこから先です。
だから、これからは財務会計の知識・分析スキル・課題解決手法などに力を入れようみたいな内容でした。
税理士・会計士がなくなるといわれているのに、財務会計?
中小企業診断士の代替可能確率が低い数字だから経営コンサル?
実際に税理士・会計士以外の士業で、記帳代行、会計コンサル(メニューには会計指導と書いてあります)を商売にしている方もいらっしゃいます。
違和感
一方で、AIの本格的到来に向け着々と準備をしている方もいます。
RPAを学び、すでにご自分のロボットを保有している方もいます。
〇〇士というフィールドにとらわれず、まったく別の仕事(士業以外)も同時進行で行っている方もいます。
自分のフィールド範囲を広げるという点では前者も後者も同じです。
でも明らかに質が違います。
この違いは何なのだろうかがひっかかりました。
人生を楽しむ
後者は人生を楽しもうとしているのではないかと考えました。
自分を大切にし、自分の人生にいろいろな種を蒔き続けることをしているのではないでしょうか。
種を蒔き続けて、かつ以前蒔いた種に水を与え続けるのは大変な作業です。
必ずしも収穫できるとは限りませんし、目の前のことで頭がいっぱいになってしまうこともあります。
最終的に実を結ぶことはないかもしれないという事実がありながらも、種を蒔き続け、水を与え続けるというのは、人生を楽しもうと思わなければとてもできないでしょう。
今現在、食べていける状況でも、常に自分を成長させてくれる可能性を模索し続ける。
目の前の仕事に全力を尽くしながら、不確実な未来への投資をやめない。
この相反することをできる人がAI時代を生き抜くのでしょう。
やりたいことを見つける「きっかけ」のひとつとして、好きだと感じたこと、少しでも興味があること、やってみたいと感じたことを、まずはほんの少しでもやってみるという手法があります。
種を蒔くということです。
水を与え続けるかそうでないかは、やってみてやっぱり好きではない、なんとなく継続しないなど様々ですが、種を蒔かなければ何も始まりません。
できる、できない、才能がある、才能がないではなくて、自分が興味のあることを楽しんでやった先に新しいフィールドがある。
そう考えると、人生を楽しむ人や生き抜く人はいつの時代も普遍のものだなと感じます。