・「ポジティブな退職はいいけど、ネガティブな退職はダメ」
・「ポジティブな考えで退職しないと、次の職場でも同じように辞める」
・「ネガティブな退職は、会社のせいではなくやめる人間に原因がある」
・「ネガティブな退職は、逃げただけ」
みんな当たり前のように言います。
でもポジティブな退職ってどんなものでしょう。
ネガティブな退職ってどんなものでしょう。
ネガティブなことではなく自然なこと
キャリアの書籍などでは、「いまの仕事には不満はない。感謝している。でも、自分をもっと成長させるために次のステージに進む」みたいなのがポジティブな退職とされています。
でもそんな人ほとんどいません。
私の知り合いでは一人だけです。
その人は、世の中にこんな人がいるのかと思うくらいとんでもなく優秀な人です。
ほとんどの人は、
・「今の会社が嫌だからやめる」
・「今の会社が苦しいからやめる」
・「今の会社では幸せになれないからやめる」
・「今の会社では満足できないからやめる」
もう少し掘り下げると、
・「人間関係が良くない」
・「労働時間が長すぎる」
・「給料が安すぎる」
・「やりがいを感じない」
・「居場所がない」
・「パワハラ、モラハラが横行している」
・「体育会系のノリがどうもあわない」
・「社内営業が苦しい」
こういう理由から 転職や独立を考えます。
これはネガティブな退職でしょうか。
いまの自分の仕事や働いている場所が、嫌だから苦しいから、いまよりもっといい仕事がしたい、もっといい会社に行きたい。
人として、自然なことではないでしょうか。
嫌な理由の裏
そして嫌な理由の裏には、求めている本音があります。
・「人間関係」
・「労働時間」
・「給料」
・「やりがい」
・「居場所」
・「社風」
・「体質」
大切にしたいのはどれでしょう。
仕事や会社に求めているもの、大切にしたいもの、優先順位などを自分自信が認識するということに価値があります。
退職理由がなんであれ、それが大切な価値観なのだから、その思いを大切にすることが、自分のやりたいことを仕事にするポイントです。
会社を辞めるのは、入社するよりも遥かにエネルギーを使います。
勇気を振り絞って、次の道に進もうと決めた人は、自分の本当の気持ちに蓋をしてネガティブな気持ちで仕事をする人より、よっぽどポジティブです。
リスクをとれないのではない
「リスクをとる」
会社を辞めるとき、好きなことを仕事にするときに、必ずこの言葉がついてきます。
リスクとは、大半はお金のことを言っているのだと思います。
でもここは日本です。
生活するために最低限必要なお金を、本気で稼ごうと思えば稼げるはずです。
頭では分かるけど、なんだか腑に落ちない。
これは、「リスクをとれない」のではなくて、「手放せない」からです。
「今の生活水準」
「他人の価値観」
「世間体」
「見栄」
「いまのところ定期的に入ってくる給料」(会社はいつ倒産しても不思議ではないのであえて安定収入とは言いません)
人は人という生き物である以上本能的に変化を嫌います。
だから、今の自分の周りにあるものは、それが良い悪いは別として手放したくありません。
でも少しづつでも手放していかないと新しいものは手に入りません。
この「手放す」というのはとてもポジティブな言葉です。
これからの人生を今よりも豊かなものにするために、今抱えているものを手放します。
そう考えると、どんな理由であれ退職すること自体は決してネガティブなことではありません。
自分にとって何が本当に大切なのかを自分に嘘はつかずに、ゆっくり考えることから始めましょう。
そして少しづつ行動に移しましょう。