知り合いのYouTuberとの一コマ

「この前ヒカキンが、災害募金をみんなでしようっていう動画をあげていたんだけど、知ってる?」

「知らない」

「その動画を見てすぐに募金したんだけど、募金をすると税金は安くなるんだよね?」

「うん。税金が少なくなるよ。決められた団体に2,000円を超えて寄附すればね。」

「決められた団体?2,000円を超えて?いろいろ決まりがあるの?」

 

・寄附をすると税金が少なくなるのか

・税金が少なくなる寄附の種類は決まっているのか

・どこに寄附をすればいいのか

・もろもろの手続きはどうすればいいのか

など、疑問がたくさんあるようです。

今回は、個人事業主が寄附をした場合について、ざっくり解説します。

寄附金控除の全体の流れ

今回は個人事業主を例に解説します。

法人とは取り扱いが違います。

個人事業主が寄附をした場合には、所得税と住民税を少なくすることができます。

 

全体の流れ

1 まず個人事業主が「決められた団体」に寄附をします。

2 団体から寄附金の「受領書」を受け取ります。

3 税務署に確定申告書を提出し、税金を払います。(寄附金控除により税金が少なくなる)

4 市区町村から住民税の通知書が6月に届きます。

5 一括か年4回の分割で住民税を払います。(寄附金控除により税金が少なくなる)

1 まず個人事業主が「決められた団体」に寄附をします。

寄附金控除が使える団体は決まっていますので注意が必要です。

決められた団体は、

・国

・地方公共団体(都道府県、市区町村)

・日本赤十字社

・社会福祉法人(赤い羽根共同募金など)

・独立行政法人(国立大学法人、国民生活センターなど)

・公益社団法人・公益財団法人(日本ユニセフ協会など)

・認定NPO法人(認定じゃないとダメ)

・その他もろもろ

などです。

「儲けることが目的ではない団体」とイメージすると分かりやすいのではないでしょうか。

なお、街頭やコンビニのレジ横にある募金箱への寄附、受領書がない寄附などは、寄附金控除の対象にはなりません。

近年はネット上で完結するタイプの寄附が増えてきましたが、受領書が発行されないものや寄附控除の対象ではないものもあります。

また、受領書が発行されても、寄附金控除の対象にならないものもあります。

受領書が発行されて、寄附控除の対象になる寄附なのかどうかは事前に確認しておいたほうがいいでしょう。

2 団体から寄附金の「受領書」を受け取ります。

決められた団体に寄附をすると、団体から寄附金の受領書が発行されますので、保管しておきましょう。

確定申告の際に使います。

3 税務署に確定申告書を提出し、所得税を払います。(寄附金控除により税金が少なくなる)

e-Taxで電子申告する場合は、税務署へ受領書の提出は不要です。

受領書の内容を確定申告書に記載して完了です。

一方、紙で申告する場合は、受領書の原本を申告書と一緒に税務署へ提出します。

4 市区町村から住民税の通知書が6月に届きます。

税務署に確定申告書を提出すると、税務署から市区町村へ情報が伝わります。

そして、6月に市区町村から住民税の通知書が届きます。

5 一括か年4回の分割で住民税を払います。(寄附金控除により税金が少なくなる)

住民税は一括払いか分割払いを選択できます。

一括の場合は6月に支払います。

分割の場合は、6月、8月、10月、1月の4回に分割して支払います。

所得税の寄附金控除のイメージ

所得税の寄附金控除の方法は2種類あります。

所得控除(所得から寄附金を控除する)

税額控除(税金から寄附金を控除する)

です。

・税金を計算している途中で寄附金控除をするのが、所得控除

・税金を計算した後に寄附金控除をするのが、税額控除

基本的には、所得控除です。

税額控除は、特定NPO法人、公益社団法人等へ寄附をする場合に限ります。

(政治資金の寄附も該当するのですが、今回の話とは趣旨が違うので割愛します)

所得控除

次の1と2のいずれか低い金額が、寄附金の控除額です。

1 寄附金-2,000円

2 所得の40%

多額の寄附をしなければ、基本的には寄附をした金額から2,000円を引いた金額が控除額になります。

税額控除

もうひとつが税額控除です。

所得控除と違い、税金から直接、寄附金を控除します。

多くの場合、税額控除のほうが税金を少なくできます。(高所得者は、所得控除のほうが税金が少なくなります)

ただし、特定NPO法人、公益社団法人等へ寄附をする場合に限ります。

次の1と2と3のうち最も低い金額が、寄附金の控除額です。

1 (寄附金-2,000円)×40%

2 所得の40%

3 税金(所得税)の25%

住民税の寄附金控除のイメージ

所得税のほかに、住民税も下がります。

次の1と2のいずれか低い金額が、寄附金の控除額です。

1 (寄附金額-2,000円)×10%

2 所得×30%

 

ふるさと納税で災害寄附をした場合は、上の図と下の図を合計します。

1基本控除分  (寄附金額-2,000円)×10%    ※所得の30パーセントが上限

2特別控除分  (寄附金額-2,000円)×(90%-所得税率) ※住民税の20%が上限

31+2=寄附金控除額

 

まとめ

・寄附をすると、税金が少なくなる(可能性がある)。

・税金を少なくするには、寄附の受領書が必要。

・寄附をする相手先によっては、受領書が発行されても税金を少なくできない。(相手先によっては、災害支援の寄附でも、寄附金控除の対象にならない場合がある)

 

我々が払う税金は何に使われているのか不明瞭な部分が多いですが、寄附は税金の使い道を自分で決めている感じがします。