短期前払費用は節税対策として有名ですが、注意点が多いので活用方法に気をつけたいところです。

短期前払費用とは

通常であれば、毎月の支払額×12ヶ月分が1年分の費用になります。

 

短期前払費用による節税は、翌1年分の費用を期末にまとめて支払うことで、費用を一気に増やして税金を低くする効果があります。

しかし、節税の効果があるのは、最初の1年目のみです。

2018年12月に最初の年払いをすると、2018年度のみ費用が2年分になります。

つまり費用になるタイミングが1回分ずれることになります。

当期のみ爆発的に儲かって、来期以降は通常通りの儲けになることが予想されるならば、節税の効果があります。

そして、儲けが800万円を超えるか超えないかのラインは税率に大きく影響します。

翌1年分の費用を前倒しして一気に計上できるので、儲けがこのライン場合は、税率を下げることができて、特に効果を発揮します。

短期前払費用の注意点

短期前払費用には細かいルールがあります。

おさえるポイントをざっくり説明します。

毎回継続して年払いする

儲かった年のみ1年分前払いして、儲からなかった年は月払いするようなら、短期前払費用は認められません。

毎回年払いする必要があります。

契約に基づいて支払う

契約上、月払いとなっているものを、いきなり1年分前払いしても、短期前払費用は認められません。

契約書などであらかじめ合意する必要があります。

毎月同じ内容で同じ金額の取引のみ

毎月同じ内容で同じ金額であれば、月単位にしても、年単位にしても経費になる金額は変わらないので、年払いを認めるという制度です。

短期前払費用の節税は、多くの場合、家賃と保険料を年払いにします。

しかし、広告費、給料、税理士報酬などは該当しません。

どの支払いが該当するのかの見極めが必要です。

売上と直接ひもづかない費用のみ

例えば、

不動産の転貸(サブリース)をしている場合、賃貸収入は毎月の売上として計上するので、賃貸収入と直接ひもづく支払家賃を年払いするというのはできません。

製造業の場合、製品の売上は毎月計上して、売上と直接ひもづく工場の家賃のみ年払いすることはできません。(本社の家賃は売上と直接ひもづかないのでOK)

あくまでも売上と直接ひもづかない費用が対象です。

支払いをしてから1年を超えてサービスを受ける場合はダメ

例えば、3月決算の場合、

3月に、「4月~翌年3月」までの支払いをしたものは短期前払費用となります。
翌年3月は、今年の3月に支払いをしてから、1年以内のためOK

3月に、「5月~翌年4月」までの支払いをしたものは短期前払費用となりません。
翌年4月は、今年の3月に支払いをしてから、1年を超えるためダメ

2月に、「4月~翌年3月」までの支払いをしたものは短期前払費用となりません
翌年3月は、今年の2月に支払いをしてから、1年を超えるためダメ

当期中に支払う

あくまでも実際に支払うことが条件ですので、未払いのものは該当しません。

資金繰りに気をつける

1年分の費用を前払いするので、お金が一気になくなります。

そして、翌年以降も同じように前払いする必要があるので、資金繰りには十分注意する必要があります。

短期前払費用の効果があるのは最初の年だけで、注意点も多いので、基本的には優先順位が低めの節税です。

当期だけ突発的に儲かって、来期以降は通常通りの儲けになるという状況で、比較的お金に余裕がある状況ならば、節税の効果が期待できます。